国道145号八ッ場バイパスにある道の駅八ッ場ふるさと館を過ぎた辺りから右に折れると、長野原町林地区です。その一角に地区の方々が専ら利用する共同浴場が建っています。
林地区を西に進み家並みが途切れる頃、右手に神社が見えます。左方向には工事現場のような場所に仮設トイレが設置された湯抜きのある建物が見えます。浴舎です。
ちょうど出てきた女性の方に訊ねよそ者も料金を支払えば入浴できることを確認、早速中へ入ります。先客がいらっしゃいます。
脱衣所には木製の棚、プラ籠、椅子などが並びます。窓辺には料金箱が置かれ、温泉分析表も掲げられています。アルミ製の引き戸の先には乳白色のポリ浴槽が見えます。
会釈と挨拶をし中へ入ると、気さくに話しかけられました。浴槽は土色に変色し、淵の一部は補修されています。洗面器も茶色に変色しています。無造作に壁から出たパイプから湯が注がれています。「熱いからもう少し待ったほうがよい」と先客は加水しています。どこから来たのかなど問われ、世間話をしているとほどよい湯温に。
湯は土色を含んだ塩濁りを帯びています。手に取ると明快な油臭、肌はべたっとした感覚を覚えます。洗い場はなく、湯口のこぼれ湯を洗面器に取り込み、使用するよう工夫されています。
先客によれば、源泉は浴舎付近ではなくバイパスから林地区に入る辺りにあるとのこと。個性的な湯をよそ者にも提供いただいていることに感謝。
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林温泉 かたくりの湯
群馬県吾妻郡長野原町林570
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
75.5℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
300円
9:00~17:00
2014/7/19