国道292号から左に折れ、万座道路を下って行くと大型ホテルが点在する万座温泉です。温泉街は形成されていないようです。
ホテル群のもっとも南に位置するのが豊国館、長い年月を経てきた宿のようです。
玄関を入ると、チェックアウトの宿泊客で混んでいます。
入浴をお願いすると、「入れます。500円」とそっけない返事。貴重品を受付に預け、浴場へ。館内を進むと、宿の建物が相当古いことがわかります。
脱衣所は暗く細長く、木製の棚とプラ籠が並びます。扉を開けると内湯です。浴槽に満たされている湯は白濁し、溢れた湯は流れ去って行きます。飾りのない湯口替わりのパイプから注がれる湯を口に含むと、強烈な酸味と苦味が刺激します。ところが肌を刺激する感触は以外にもなく、ヌルスベ感さえあります。湯口の周りには白い成分が付着し、温泉の特徴を教えてくれます。全面ガラス窓からは初夏・万座の風景を楽しむことができます。
露天へ向かいます。内湯の窓下に露天はありますが、いったん脱衣所を通らなければなりません。露天からの眺めは格別です。数名の先客が楽しんでいます。内湯の3倍ほどある浴槽に満たされた湯は、内湯よりさらに白濁しているように見えます。湯の視界はゼロで、浴槽内に設けられた段は見えません。露天の浴槽は深く、へそ辺りまで沈むことになります。
高原リゾート地の印象を受けた万座温泉、個性ある泉質と壮観な眺望が再訪したいと思わせます。
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万座温泉 豊国館
群馬県吾妻郡嬬恋村大字千俣万座温泉2401
0279(97)2525 HP
酸性・含硫黄-ナトリウム-硫酸塩温泉
68.2℃
シャンプー類あり
内湯 露天
8:00~20:00
2014/7/20